
私たちは心の中で考えたとおりの人間になっている
- 2018.03.27
- 啓発本ライブラリー
ディスカヴァー社「フォーカル・ポイント」著者 ブライアン・トレーシー
厳しい時代に「がんばる」だけではマイナスのスパイラルから抜け出せない。
その背景には時代が変わった。知識労働社会になってきたことで、「仕事量や労働時間を増やすことにより成果を増やす」というやり方ではうまくいかなくなってきている。「多くの労力をかけて成果をあげる」というスタイルではなく「少ない労力でいかに大きな成果を上げるか」というように、人生にレバレッジをかける方法を学ぶため、自分用の勉強ツールとしてまとめる。
「もっとも大切なポイントを見きわめる能力」が人生においてどれほどのことを達成できるかを決める。
このポイントこそが、見つけなければいけない「フォーカル・ポイント」である。虫眼鏡で太陽光線の焦点を合わせると、紙が高温になって発火するのと同じように、重要な行動にフォーカル・ポイントを合せて集中すれば、早く高い目標に到達できる。
現代の情報化社会では、知識こそが重要な資源であり、もっとも価値のあるものを生み出す源である。要するに「労働力を重視したマンパワー時代」から、「考える力を重視するマインドパワーの時代」に入っている。となるともはや報酬の尺度は「費やした時間」ではなく、「何をやり遂げたか」その結果が報酬を決める。
上位20%の仕事が80%の価値を生み出している。
20%の仕事である「もっとも対価が高い仕事」「もっとも重要な成果を生み出す仕事」により多くの時間を費やす。
80%の業務については、少なくするか、誰かに任せるか、やめる決断がほしい。
「もっとも重要な人生の選択」とは、現在と未来の自分の姿に、すべて自分が責任を取ると決めることである。自身に責任を持つかどうかが、優れた人物と平凡な人物を選り分ける。
人は責任を取るほど、自信は高まり、未来のためのエネルギーがわいてくる。自分に責任を持つことが、強い自尊心や自負心の土台をつくる。自己責任が、優れた人物の個性の中心を形づくる。反対に、言い訳をしたり、他人のせいにしたり、文句を言ったり、批判したりすると、自分自身を成長させる力を失う。さらには、問題を不満に思う感情をコントロールできなくなる。他人に責任転嫁をしても、その問題から逃れることはできない。責任を取れない人は、自分が犠牲者であるかのようなふるまいがち。そんな人は力強さや革新的な思考とは無縁の人生を諦めた消極的な人である。
人生は、注目することを学ぶ場である。人生で何かを達成するには、より価値の低い行動から価値の高い行動へと、注目する対象を変える能力が必要。
これまでの研究から「注目されている行動は、注目されていない行動に比べて、高い成果が期待できる」ことが判明している。何かの仕事に取り組んでいるとき、その仕事を強く意識すると、いつもよりよい結果を出せる。自分の行動のすみずみに注意を払うので、何も考えずに仕事をしているときに比べ、仕事の効率が高まる傾向がある。
行動のほとんどすべて、少なくとも95%は、自身の習慣によって決まっている。習慣が言動や周囲の人への反応をコントロールしている。
人生で成功する人は「人生をよりよくする習慣」を身につけている。反対に目指す結果に到達でいない人は、仕事に失敗したり、人生の成功を阻むような習慣を身につけてしまっている。
習慣は後天性である。充分な時間と労力をかけて学ぶことを厭わなければ、習慣はよいものになる。
自分自身の能力や可能性をマルチ化させるには、自分にはない技能や能力を持つ人と一緒に働くのが最高の方法。優れた管理職は、個々の人材の能力を生かし、仕事をうまく調整する。ひとりひとりの業績をただ合算するよりも、協力しあったときの業績のほうが、ずっといい結果になるからである。
仕事に取りかかる前に、仕事の全体像をじっくり見ることから始める。最初にやることは、自分がやるべきことを決定すること。今何をするべきかをつかんでいれば、それだけでも生産性を高めることができる。
ベストな行動を選択して生産性を倍増させるには、自分がやり遂げたいことが明快でなければならない。そうすれば目標に到達するための最善の方法をみつけ、とことん追求できる。
21世紀に成功するためにもっとも大切な資源は「柔軟性」である。広い視野に立って他社を受け入れる懐を持ち、新しい方法や技術を嫌がらずに試すことができる。柔軟性があれば、常に新鮮な気持ちでものごとに取り組める。柔軟性を高めるには、自己中心的な考え方を止めることが最良の方法。つねに第三者の目で状況を見つめなければならない。「誰が」正しいかよりも、「何が」正しいかに重点を置く。
ブライアン・トレーシー
ディスカヴァー・トゥエンティワン